ななちゃんはお腹の中 スクリーニング検査

新しい担当の先生は、ベテラン風の女性の医師でした。

転院後、赤ちゃんの状態を詳しく知るために、3泊4日の検査入院となりました。

当時、上の息子は2歳。
突然の母の入院に、大泣きしていたのを覚えています。
いつも一緒にいる人が帰ってこないって、不安になりますよね。
何の前触れもなく、急に言われてしまったらなおさらのこと。

そんな息子をなだめてましたが、内心は不安との戦いでした。
産まれた後どんなことが必要なのか、どんな検査があってどんな手術があるのか先が見えない不安がありました。

スクリーニング検査なるものは数名の専門の医師が行う、とのことで、先生の都合上、いつお呼びが掛かるかわからないものでした。
基本、ベッドの上で待機。暇でしたね。
暇だと、ケータイとか触っちゃうよね。
ネットとか開いてね。口唇口蓋裂のこと、腎臓のこと。ポチポチと。

今でこそ思うのですが、障害って人それぞれなんですよね。
同じ障害でも、全く同じ状態の人はいなかったりします。
必要な情報と、そうじゃない情報。
そんなことも分からず、少しでも多くの情報が欲しくて知りたくて、いろいろ片っ端から調べてました。

ただ漠然と情報を漁っていた、という方が近いかも。
未知なものが怖かったんだと思います。
スクリーニング検査、昼夜問わずでした。
全身、脳、心臓、内臓。
まだ胎児で、ほんの数センチの我が子のエコー画像です。
ひとつひとつ、ゆっくりじっくりエコー検査してました。
7ヶ月の赤ちゃん、どこまでがわかるの?というのが本音でした。

数日後、結果。
口唇口蓋裂、腎臓奇形、脳奇形、いらない管ありました。
他にもいろいろ言われた気がしますが、正直なところよく覚えてません。もっと大きなことがありました。

先生「これだけ気になる点が多いと、染色体になんらかの異常があるはずです」
私「?(えっ、なになに?染色体異常?・・・え?・・・はい?)」
結果のお話の中に、羊水検査の話が出ました。後日、染色体異常が何番のものかを調べます。と。

先生より、
染色体異常の有無ではありません。
産まれてくる赤ちゃんに、どのような対応が必要か、そのための検査です。
結果によっては対応せず、お母さんとの大切な時間を過ごす場合もあります。
(大切な時間を過ごす=生きていられる時間が短いため、可能な限り一緒に過ごす)

この時まで、口唇口蓋裂のことばかり毎日毎日気にしていました。
綺麗に治るかな。手術(整形)しても少し気になる形だったらどうしよう、変に思われてしまうとかわいそうだな。
なんて心配をしていました。

染色体異常の話を聞いた瞬間、口唇口蓋裂のことがスポーンと遠くへ飛んでいきましたね。
「こんにちは」
「さようなら」
が近いかもしれない。なんて、想像できませんでした。


染色体異常というパワーワード。
この日の説明で、はじめて泣きました。

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