重度知的障害のこと 言葉とサイン

ななちゃんは重度知的障害児です。
現在、支援学校の小学3年生です。
数字、文字、読めません。言葉もまだ話せません。

ななちゃんからの発信は、簡単なサインと、指差しと、難語のような僅かな発語です。
この僅かな発語に、たくさんの感情を込めてくれます。

「ダ」

「ダッ!」

「ダァア!」

ダメの三段活用とか。

「う」

「あーい」

「い(↑)ーよ(↓)ー」

OKのときのお返事とか。

「あ(↑)ーあん(↓)」

「あ(↑)ーあん(↓)」

お父さんとお母さんの発語が全く同じだけど、顔を見ながら指差ししてるから本人は使い分けてるんだな、とか。

「じぃ(↑)ーじぃ(↓)」

「ば(↑)ーばん(↓)」

じいちゃんはじーじなのに、ばあちゃんは、ばあちゃんなんだな、とか。

「に(↑)ーに(↑)ー」

機嫌が悪い時にお兄ちゃんを呼ぶドスの強さ、とか。

「だ(↑)ーん(→)ー」

アンパンマンは言えないけど、だだんだんが好きすぎて言えちゃったよ、とか。
ちゃんと判別のできる発語は10~15単語くらいです。
あとは「デ」の音でそれっぽい単語が出てるかなって感じです。

使えるサインは30~40単語くらい。あいさつ、名詞や動詞などなど。
簡単な手話を教えると、ななちゃんなりのサインに変化して覚えます。
ありがとうの手話も、よーく見ると手のひらが上だったり。ちょっと違う。
ななちゃん語になってるけど、特に直してません。

徐々に増えるサイン。
きっと学校で教えてもらったサイン
見た目をななちゃんが解釈して、自分自身で考えたものを使っているのではないかなサイン
様々になってきて、これは一体なんだ??と思うことが増えてきました。
学校の連絡帳(※)に「このサイン教えてください」と先生へヘルプをだすと、

「このサインは~~ですよ」とか

「なんのサインでしょう??」とのお答えが。

先生がわからないサインはもうお手上げです。本人はなんとか説明しようとして、サインを出していますが、ごめんね、なにかのタイミングで気づくかもしれないね。
気持ちが通じれば、それで良いのです。通訳は母の役目なのです。
簡単なサインと、指差しと、僅かな発語。
これが、ななちゃんの言葉です。

そして意外にも、学校や放課後デイで、コミュ力あるとか、なんとか。年上のお兄さんお姉さんにつれられたり、年下のお友達につれられたり。とても楽しそうです。

「言葉」ってなんだろうと考える、今日この頃です。

(※)毎日の体温やトイレや様子を書いて提出するものです。
先生からは、学校の様子を書いてくれます。この「様子を書いてくれる」ことが、親としてとっても嬉しいのです。家以外の様子を本人から聞くことができませんので、懇談会や個人面談だけでは、様子はさっぱりわかりません。ちょっとしたことでも書いてくれることで、ななちゃんが頑張れた様子、頑張れなかった様子がわかり、毎日の楽しみの一つです。母もなんとか家での様子を書きますが、結果として、交換日記と化しています。

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