ななちゃんはお腹の中⑤ 不安、そして不安

お腹の赤ちゃんのことがわかった後、
産まれるまでずっと辛かったです。主にメンタル面で。

「お腹の赤ちゃんは順調?」

上の息子の時にも、いろいろな方からよく言われました。
それこそ、誰もが話し始めに使用する言葉で、妊婦さんは、よく聞く言葉だと思います。
相手も悪気なんてない、ごく「普通の会話」です。

上の子のときは一切気にも留めない、普通の言葉でした。
なにも話さないよりは、相手のためを思っていってくれるのでしょう。きっとこちらも相手と話をしたくて、とっかかりとして出す言葉の一つだったことでしょう。

ななちゃんがおなかにいるときは、この言葉が、一番辛かったです。
人生言われたくない言葉ランキング上位に食い込んできました。
相手はこちらの事情なんて知りません。
ましてや、障害児なんて思ってもみないでしょう。

赤ちゃんは順調に育ってます。
でも、順調って言っていいの?障害児なのに順調?
妊娠出産は命に関わる大変なこと。障害があることがわかっていなくても、障害がない、定期検診で特に異常が見当たらない状況であったとしても、母体の健康状態に注意していなくてはいけません。

ですがやはり、当時の私は、障害があることのたった一つのことですが、それがわかっているのは、ただただ怖く、それが今後どのようになっていくのかわからない、知らないことはどんどん不安を呼び、不安のスパイラルのど真ん中にいました。

障害児という不安。

障害児を育てる不安。

本当に、この子を産んでいいの?

あまり知られていない症状がでたら、近くの病院で対応してくれるの?いや、なにが起きるの?


とか。
今となっては、経験値が増えたので、ここまで不安がらなくても良いなと、どうでもいいことばかりです。
でも、当時は、いろいろと考えてしまいましたね。
染色体異常がわかってからは、
特にダークなことばかり考えていたのを覚えてます。

この頃、2歳の息子を連れて、
毎週ある子育てサークルに行ってました。
他言はしていなかったので、
「赤ちゃんが産まれるのが楽しみな妊婦」をしていました。

お腹の赤ちゃんは順調?と聞かれても、ニコニコしてました。
赤ちゃんが障害児だってことを知られたくない。
そんな気持ちもあったのかもしれません。
心の中のダークマターが、いつも渦巻いていましたね。

でもあるとき、転機が訪れました。
一度、母に全てを吐き出したことがありました。
ただ、ただ、産むのが怖い、と。

「障害児が産まれようと、みんなで一緒に育てるから。

 あなたは安心して、赤ちゃんを産みなさい」


言葉ってすごい。
覚悟は出来ないけど、不安がひとつ消えました。
ああ、この子を産んで良いんだなって。

あんなにも不安になっていたのに、八方塞がりな状態だと思っていたのに、ほんの少しだけ、道筋が見えた気がしました。

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